三重県、特に伊勢市の文学に関すること。時代は江戸~戦前。
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○蝶夢(1732~1796)-五升庵蝶夢。江戸時代中期~後期の俳人、僧。享保17年生まれ。望月宋屋に俳諧をまなぶ。明和3年京都の浄土宗阿弥陀寺帰白院の住職を辞し、郊外の岡崎に小庵をむすぶ。松尾芭蕉を敬愛し、その顕彰事業につくし、「芭蕉翁発句集」「芭蕉翁絵詞伝」などをまとめた。寛政7年12月24日死去。64歳。京都出身。別号に泊庵。
○小祥忌-一周忌。
○たはふ-たばう(庇ふ/貯ふ)。大切にしまっておく。蓄える。
○ほからゝゝゝ(朗ら朗ら)-朝日がのぼろうとして明るくなるさま。
神風館八世 鈴木入楚まとめ
・元禄十五年(1702)、出生。大世古町住。本名直由。通称三郎兵衛または三大夫。号は藜翁、粒々斎。曽北、南利の門人で家業は平師職か代官。
・寛保三年(1743、42歳)、師の神風館4世、曽北が死去。あかざの月次を継ぐ。
・延享三年(1746、45歳)、梅路、温故同様交友のあった建部涼袋が来遊。
・宝暦八年(1758、57歳)、涼袋著「南北新話後編」に序文を寄せる。
・宝暦十年(1760、59歳)、温故宅で何声、樗良らと歌仙。
・宝暦十一年(1761、60歳)、神風館6世、温故死去。
・明和三年(1765、64歳)、阿波国人来雪の伊勢来遊記念集で「神風館入楚」。何声の存命中に神風館を継ぐ。
・明和五年(1768、67歳)、「備録」を編集。交友があった蝶夢など。
・明和五年(1768、67歳)、神風館7世、何声死去。
・安永四年(1775、74歳)4月5日没。、辞世吟「ほとときすいま居直りて聞ところ」。
・安永五年(1776)、入楚一周忌集「羽のしつく」。蝶夢など。
○大世古-現三重県伊勢市大世古。
○平師職-禰宜や年寄ではない一般の御師の家。
○文史-鈴木文史。入楚の子。
○兀山-はげ山。
〇柳居-佐久間柳居(1686~1748)。江戸時代中期の俳人。貞享3年生まれ。幕臣。貴志沾洲の門にはいるが、江戸座の俳風にあきたらず、中川宗瑞らと「五色墨」をだす。のち中川乙由の門下となり、蕉風の復古をこころざし、松尾芭蕉の五十回忌に俳諧集「同光忌」を撰した。延享5年5月30日死去。63歳。名は長利。通称は三郎左衛門。別号に松籟庵,長水,眠柳など。
〇辻村逸漁(1741~1797)-河崎の廻漕問屋(運送業)、辻村家の三代目当主。俳人で加藤暁台と親しく、加賀千代も来訪したことがある。三浦樗良、井上士朗を師友とした。
〇翠簾-恐らく「みす」と読む。緑色のすだれ。青竹のすだれ。
〇引墨-合点をつけること?
〇節衣-現在の読みは普通は「せちごろも」だが、ここでは「せつい」?正月の節振る舞いの席上で着る小袖。「節振る舞い」は節日に人をご馳走でもてなすこと。特に、正月節日に、新年を無事に迎えたことを祝って親類縁者を招いて宴会を行うこと。
神風館七世 何声まとめ
・宝永五年(1708)生まれ?名は穂音、号は風鈴庵。
・延享三年(1746)、古雅堂己蝶、羅々と三人共編の「いせあし鼎」を発行。麦林門の八僊、柳居、麦浪の序跋あり。
・宝暦十一年(1761)、温故没後、神風館を継承。
・宝暦十三年(1763)、神風館歳旦帳発行。
・明和元年(1764)、神風館歳旦帳発行。
・明和五年(1768)二月二十四日、死去。
○墨直し-石碑などの字にさした墨が風雨であせたのを、新しく墨をさして直すこと。
○何声-神風館7世。
○くすり喰(薬食い)-滋養のために食べること。薬用として食べること。
○手向け草-たむけにする物。神仏や死者などに供える品。
○白井鳥酔(1701~1769)-江戸時代中期の俳人。元禄14年生まれ。もと上総(千葉県)地引村の代官。江戸で佐久間柳居にまなぶ。松尾芭蕉の旧跡を遊歴し、晩年は相模(神奈川県)大磯の鴫立(しぎたつ)庵ですごした。明和6年4月4日死去。69歳。名は信興。通称は喜右衛門。別号に百明台,松原庵など。編著に「夏山伏」「冬扇一路」など。
○堀麦水(1718-1783)-江戸時代中期の俳人。享保3年生まれ。中川麦浪らにまなぶ。貞享期の蕉風に傾倒し、編著に「新みなし栗」、俳論書に「蕉門一夜口授」など。「慶長中外伝」など実録物でも知られる。天明3年10月14日死去。66歳。加賀(石川県)出身。名は長。字は子傾。通称は池田屋平三郎。別号に樗庵、四楽庵など。
○兎士-成子兎士(天和4年(1684)~宝暦7年(1752))。山田岡本の人。名は家忠、号は義上園。酒家を営み成子屋と称した。俳諧、俳画をよくした。
○幾暁-幾暁庵雲蝶(?~1756)。江戸中期の俳人。伊勢山田の人。別号に春波・安楽坊・星見庵等。各務支考・中川乙由に師事する。神職の出であるが出家し讚岐玄忠寺に入る。旅を好み九州各地を遍歴し美濃派の俳諧を広めた。金沢龍国寺で乙由十三回忌を営んだ後、法船寺明誉に師事。宝暦6年(1756)寂、63才。
○籠ぬけ(籠抜け)-飼い鳥として籠かごの中に飼われていたものが逃げ出すこと。また、その鳥。
○名こし(名越し・夏越し)-名越しの祓(はらえ)のこと。六月晦日に各神社で行われる祓の行事。姓名・年齢を書いた形代かたしろを神社に納めたり、水に流したりし、あるいは、参詣者が茅の輪くぐりをして祓をうける。六月祓(みなづきのはらえ)。夏祓(なつばらえ)。夏越しの御禊。輪越しの祭。 [季] 夏。
○双林寺-京都市東山区にある天台宗の寺院。山号は霊鷲山(または金玉山)。院号は法華三昧無量寿院。寺号は正しくは沙羅双樹林寺という。本尊は薬師如来。
○閑阿弥陀仏-双林寺内の建物らしい。「双林寺閑阿弥亭」などネットにある。
○八仙観-彭城百川の号。南画家として有名だが俳諧師でもあった。俳号は松角、のち昇角。俳諧では支考に就き、名古屋や伊勢で活躍。中川乙由(麦林)や和田希因など伊勢派の人物と親交した。梅路に傾倒していた建部涼袋の画・俳両方の師。
○観念-仏教の瞑想法の一。精神を集中し、仏や浄土の姿、仏教の真理などを心に思い描き、思念すること。
○思ひ草-ナンバンギセルの別名。《季 秋》
○鴈字亭井村寸童-正徳元年(1711)~安永7年(1778)。俳人。別名に結命、茂衛門、三郎右衛門。伊勢岡本町住。伊勢渡会人物誌では「井村三郎衛門」の名。また「寸堂」となっている。
○青東風(あおごち)-土用中に空に一点の雲もない青空で東風の吹きわたること。《季節 夏》